AORジャンルにおいてもっとも親しいやすく人気なのが、このバラードテイストの曲だと思います。
米国や日本ではAORをアダルト・コンテンポラリー主体として捉えられていることから数多くの楽曲が存在しており、中には聞いたことがある作品も多いのではないでしょうか。
バラードのゆったりとしたスローテンポの美しいメロディーに、ソフトロックのコーラスやハーモニーからくる心地良さが見事にマッチしたサウンドは、いつ何度聴いても心を癒してくれます。
バラードのしっとり感 第1弾
Bobby Caldwell / Back To You (1991年)
日本でも “ミスターAOR” として有名なボビー・コールドウェルはニューヨークで生まれ、その後マイアミで育ちます。
若い頃に母親とその友人を通じてボブ・マーリーと知り合い様々なジャンルの音楽の影響を受け、その後ギターリストとしてミュージシャンのキャリアをスタートしていきます。
1976年のシングル曲「What You Won’t Do For Love」を大ヒットさせ、当時流行していたAORのファン達から注目を集めます。
日本での評価もかなり高く、タバコ/パーラメントのCMソングとして起用された「Heart Of Mine」(1989年)がボビーのイメージを象徴付け、さらなる人気を呼ぶこととなりました。
タイトル曲の「Back To You」もパーラメントのCMソングに使用されており、1991年に発表されたアルバム『Solid Ground』からの1曲。
この曲はアメリカのジャズ・ヴォーカリストであるマリリン・スコットとのデュエット曲で、ボビーのハスキー・ボイスとマリリンの深みのある歌声が見事にマッチした名曲です!
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Jay Graydon / Roxann (1993年)
ジェイ・グレイドンはカルフォルニア/ロサンゼルス出身のシンガー・ソングライターです。
歌手である父親の影響を受け幼い頃から様々な楽器を学び、20歳ごろからギターリストとしてミュージシャンの道を歩みはじめます。
1977年にスティーリー・ダンが発表したシングル曲「Peg」のギター・ソロに参加したことで音楽業界に名を広めます。
それからは作曲家としての実力も発揮し、ジョージ・ベンソンやアル・ジャロウなどのヒット曲を手掛けAOR時代のプロデューサーとして大きな影響力を与えることになります。
1979年にはデヴィッド・フォスター、ビル・チャップリンと共作したアース・ウィンド&ファイアーの名曲 ”After The Love Has Gone” を発表し、グラミー賞最優秀R&B楽曲賞を受賞しています。
1980年に入りデヴィッド・フォスターらと立ち上げた自身のバンド「AirPlay」も有名です。
タイトル曲は1993年にジェイ・グレイドンが発表したソロ・アルバム「Airplay For The Planet 」からの1曲で、AOR界の重鎮達が集まって作り上げた作品になっています。
聴くだけで心が穏やかになってしまうほどの美しいバラード曲で、ジェイ・グレイドンの素晴らしいAORテイストが味わえる名曲です。
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Kenny Loggins / For The First Time (1996年)
ケニー・ロギンスはハリウッド映画『トップガン』の主題歌である “Danger Zone” を歌ったことで有名な、アメリカのシンガー・ソングライターです。
タイトル曲はジョージ・クルーニーとミシェル・ファイファーが共演した1996年の映画『ワン・ファイン・デイ』挿入歌になります。
アダルト・コンテンポラリー・チャートでケニー・ロギンスが唯一1位を取った曲となりました。
当時この曲はシングル曲として発表されずサウンドトラックに収録されていたのですが、1997年にリリースされたベストアルバム「The Greatest Hits Of Kenny Loggins」に含まれています。
ケニー・ロギンスはロックテイストの曲が目立ちがちですが、バラードも素晴らしい名曲を奏でてくれます。
90年代に入ってからの作品は美しいバラード曲や、妻であるジュリア・クーパーと共に自身の子供たちへ唄った作品などが発表されていて、心を癒してくれる名曲たちがたくさん存在しています。
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Lou Pardini / Live And Let Live (1996年)
ルー・パルディーニはアメリカのグラミー賞を受賞したキーボード演奏者でもあるシンガー・ソングライターです。
2009年からはシカゴのリードヴォーカル兼キーボード演奏者としても活躍されています。
スティーヴィー・ワンダーやエルトン・ジョン、アース・ウィンド・アンド・ファイアーなどの有名なミュージシャンと仕事をし、ブラックミュージック界の大御所であるスモーキー・ロビンソンと人気サックス・プレイヤーのケニー・Gらと共同作曲した「We’ve Saved The Best For Last」では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」でグラミー賞にノミネートされています。
タイトル曲は1996年にルー・パルディーニが発表したソロ・アルバム「 Live and Let Live 」からの1曲になります。
このアルバムにはシカゴのビル・チャップリンや、アメリカのフュージョンバンドであるコイノニアなどが参加しています。
洗練されたメロディーにソウルフルなヴォーカルが心地良い名曲です!
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Bill Cantos / Endless Nights (1995年)
ビル・カントスはアメリカ/サンディエゴ出身のキーボード演奏者であり、作曲・プロデュースなども行う多様性に富んだシンガー・ソングライターです。
1988年に2人の姉と『シビリング・リヴルリー』というバンドを結成し、その頃にジェイ・グレイドンから認められることになります。
ソロ・アルバム “The Bill Cantos Project Brentwood jazz” を1992年に発表し、ブラジル音楽やJAZZ・AORテイストを見事にマッチさせた楽曲を披露してくれています。
1995年にリリースしたセカンド・アルバム「Who Are You 」にはジェイ・グレイドンを始め数多くのAOR関連のアーティストが参加しており、AORファンから高い評価を受けています。
収録曲の “Beautiful One” がPioneerのCMソングに起用されたこともあり、大きく注目を集め90年代を代表するAORアルバムと広く認められることに。
タイトル曲も「Who Are You 」からの1曲で、ビルの心地良い歌声にジェイ・グレイドンらしさが合わさった、心にスッと入ってくるAORメロディーが最高な名曲です。
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Natalie Cole / Miss You Like Crazy (1989年)
ナタリー・コールはアメリカ/ロサンゼルス出身のシンガー・ソングライターであり、ナット・キング・コールの実娘です。
1975年にシングル曲 “This Will Be” でデビューを果たし、ビルボード全米総合チャート6位を獲得、また最優秀R&B女性ボーカル賞・最優秀新人賞のグラミー賞を受賞しています。
その後も 1976年の “Mr. Melody” や1977年の “I’ve Got Love On My Mind” など大ヒット曲を次々と連発。
タイトル曲は1989年にリリースされたナタリーの11枚目のアルバム「グッド・トゥ・ビー・バック」からの1曲で、ビルボード R&Bチャートとアダルト・コンテンポラリー・チャートの両方で1位を獲得した大作です。
こちらもタバコ/パーラメントのCMで起用されていましたね。
当時の評論家が言う通り、壮大で力強いバラードの名曲そのものです。
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Brenda Russell / Who Are You (1993年)
ブレンダ・ラッセルはアメリカ/ニューヨーク出身のキーボーディストでありシンガー・ソングライターです。
ソングライターとしての活動も有名で、アース・ウィンド・アンド・ファイアーをはじめスティーヴィー・ワンダーやスティングなど多くのミュージシャンに楽曲を提供しています。
1979年にセルフタイトルでファースト・アルバムの「ブレンダ・ラッセル」をリリースし、後にルーサー・ヴァンドロスをはじめ多くのミュージシャンがカヴァーするほどヒットした収録曲 “IF ONLY FOR ONE NIGHT” を生み出します。
1988年に発表した4枚目のアルバム「Get Here」では、”Piano In The Dark“がグラミー賞の3部門にノミネートし彼女の代表曲として大ヒットを記録しました。
タイトル曲は1993年にリリースした「Soul Talkin’」からの1曲で、このアルバムは1曲を除きラッセルが作詞・作曲したプロデュースアルバムになります。
その1曲が “Who Are You” になり、ライターはビル・カントスでボビー・コールドウェルとのデュエットという素晴らしい曲です。
初プロデュースのブレンダを想い2人が支えになった、特別な作品のように思います。
ブレンダの魅力的な歌声とボビーの大人びた甘いヴォーカル、そしてビルの深みのある作詞が合わさるという唯一無二の名曲ですね!
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